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star-raw の使い方

star-rawは、星景写真のRAW現像とフレーム合成をブラウザだけで行う小さなツールです。写真データはサーバーへアップロードせず、開いている端末のメモリ上で処理します。まずは現像画面かタイムラプス画面を開いてください。

できることとプライバシー

ARWとDNGをLibRawで展開し、JPEGとTIFFも同じリニア光量のデータにそろえて調整します。調整、合成、書き出し、動画作成までブラウザ内で完結するため、画像の内容がこのサイトのサーバーへ送信される処理はありません。タブを閉じると、保存していない画像は端末から消えます。作業中にブラウザを更新する可能性があるときは、先にJPEGまたはPNGを書き出してください。

対応するファイル

対応形式はARW、DNG、JPEG、TIFF(RGBの8bit/16bit)です。現時点ではCR3、NEF、RAFなど、その他のRAW形式には対応していません。カメラのRAWが開けない場合は、メーカーの現像ソフトやDNG変換ツールでDNGへ変換するか、まずJPEGで操作感を確認します。複数枚の合成では、同じ寸法の画像だけが処理対象になります。

現像画面の流れ

  1. ひらく:写真を選択またはドロップします。元画像は端末内で読み込まれ、プレビューには縮小代理画像、書き出しには元解像度を使います。
  2. 調整:スライダーを動かすとリニア光量の段階で再計算されます。最初はヒストグラムの端を確認し、星の芯や前景の黒が潰れていないか見ます。
  3. 書き出す:形式とJPEG品質を選び、固定された「書き出す」を押します。PNGは品質設定を使わず、アルファを含むRGBAとして保存します。

スライダーの範囲と単位

色温度:撮影時のホワイトバランスを0とする相対値で、範囲は−100〜+100です。マイナスは青み、プラスは暖色方向です。ケルビン値を入力する操作ではありません。

色かぶり:これも−100〜+100の相対値で、0が撮影時の状態です。マイナス/プラスで緑・マゼンタ方向の偏りを補正します。空全体の色を変える操作なので、局所的な街灯のかぶりを完全に消すものではありません。

露光量:−5〜+5 EVで全体の光量を増減します。ほかのコントラスト、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベル、自然な彩度、彩度は−100〜+100です。露光量を決めてから端の階調、最後に色を整えると、調整の目的が混ざりにくくなります。

トーンカーブ:入力と出力の明るさの関係を点で調整します。中間調だけを持ち上げるS字は天の川を見せやすい一方、黒側と白側を動かしすぎると夜空の質感が失われます。元画像ボタンで比較しながら、変更を一度に増やしすぎないのがコツです。

1枚の星景写真を仕上げる例

次は、前景に山のシルエットがあり、天の川が少し暗く、街明かりが弱く入ったRAWを想定した例です。カメラや空の明るさによって正解は変わるので、数値をプリセットとして固定せず、ヒストグラムとプレビューを見ながら近づけます。

操作例の値ねらい
色温度−12青みを少し残し、暖色の光害を抑える入口
色かぶり−6緑寄りの空をわずかに補正
露光量+0.7 EV暗い天の川を見える位置へ置く
ハイライト−40明るい星と街明かりの芯を守る
シャドウ+25山の輪郭を少しだけ読めるようにする
黒レベル−8持ち上げた空の黒を締め直す
自然な彩度+18薄い星雲の色を先に補う

まず露光量を+0.7 EVにして、天の川が見える一方で星の中心が白く飛ばないところを探します。次にハイライト−40で明るい部分を戻し、シャドウ+25は前景の輪郭が判別できるところで止めます。シャドウを大きく上げるとノイズも明るくなるため、黒レベル−8は仕上げの微調整です。色温度と色かぶりは相対スライダーなので、数字の大小よりも空のグレー部分と星の色が自然かを基準にします。最後に自然な彩度+18を試し、星が白一色になったら彩度を戻します。

書き出し形式の選び方

JPEGはファイルが小さく、写真を共有したり一般的なソフトで開いたりしやすい形式です。品質を上げるほどブロックノイズや星の周りのにじみは減りますが、容量も増えます。夜空の細い星や暗部の階調を残したい最終版では、まず高めの品質で書き出し、必要なら用途別に小さくします。

PNGは可逆圧縮なので、星の輪郭や暗部の再圧縮を避けたい中間ファイルに向きます。一方、33MPのα7C IIで撮ったJPEG(7008×4672)を例にすると、RGBA 8bitの非圧縮データだけで約131MB(7008×4672×4)になります。PNGは内容によって圧縮率が変わるため、実ファイルはこれより小さくなることもありますが、JPEGより大きくなりやすいという目安は変わりません。保存先の空き容量とブラウザのメモリを考え、共有用はJPEG、再編集用や劣化を避けたい素材はPNGというように目的で使い分けます。

複数枚の合成

「合成…」から複数の画像を選びます。比較明は各画素の明るい値を残すので、星の軌跡や流星に向きます。加算平均は同じ構図を平均してランダムノイズを下げる方法、加算は光を積み上げて星を強く見せる方法です。平均は固定三脚の連写に向きますが、動く星はぼやけます。1枚しか選んでいないときは、開始ボタンの近くに「あと1枚以上選択してください」と表示されます。

タイムラプス

フレーム数とフレームレートから出力フレーム数は 秒数 × fps で決まります。保持は各素材を一定時間表示し、クロスフェードは隣の素材をリニア空間で混ぜます。雲やオーロラではクロスフェードがゴーストを作ることがあります。デフリッカーはフレームの明るさの差を移動平均へ寄せる処理なので、急な光の変化を作品として残したいときは強さや窓サイズを控えます。

ブラウザの対応とトラブルシューティング

読み込めないRAW

拡張子がARWやDNGでも、機種や圧縮方式、ファイル破損によってLibRawで展開できないことがあります。まず同じカードの別ファイルを試し、カメラ付属ソフトで開けるか確認します。開ける場合はDNGへ変換して再度選びます。拡張子を手で変更しても中身は変わらないので解決しません。

メモリ不足や途中で止まる

RAWは展開後に元データ、縮小プレビュー、GPUテクスチャ、書き出し用のバッファが同時に必要です。33MP級の画像や大量の合成では、他のタブを閉じ、まずJPEGやFHDで試します。合成は同じ寸法の枚数を減らし、タイムラプスは4KからフルHDへ下げると必要量を抑えられます。タブを閉じると作業中の結果は失われるため、可能なら先に中間画像を保存します。

Safariで保存場所が分からない

保存先を選ぶダイアログの対応はブラウザによって異なります。Safariでは動画をブラウザ内の一時的な結果として扱い、作成後に結果欄のダウンロード操作を使います。タブを閉じる前に端末の保存先へ書き出し、iOSでは共有シートや「ファイルに保存」まで完了したことを確認してください。

Firefoxで大きな画像を扱う

Firefoxは大きな画像をGPUテクスチャへ載せるとき、端末やドライバーの上限に当たることがあります。star-rawはタイル処理を使いますが、処理時間とメモリの制約がなくなるわけではありません。プレビューが黒い、書き出しが失敗する場合は、他のタブを閉じ、サイズの小さい画像やJPEGで確認し、必要ならフルHDの動画を選びます。

読みもの

星景写真のRAW現像のコツ

光害、色、露出、ノイズを分けて考え、星の色を残す調整順を紹介します。

比較明合成とタイムラプス

撮影間隔の計算、途切れ対策、デフリッカー、動画設定の考え方を解説します。

よくある質問

画像は本当に送信されませんか?

はい。処理はブラウザのWorkerとWebGLで行い、画像をアップロードするコードはありません。

開けるRAWと開けないRAWがあります

現在の対象はARWとDNGです。機種ごとの対応状況や破損したファイルはLibRawの判定でエラーになります。

作成した動画はどこにありますか?

Chromeは選んだ保存先、FirefoxとSafariはブラウザ内の一時ファイルです。結果画面のダウンロードリンクから端末へ保存してください。